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研究内容

  当研究室では、ナノスケールで人工的に微細形状制御された伝導体、磁性体、超伝導体、 及びそれらの複合構造において発現する新奇な量子伝導現象、とりわけ 電子の流れが創出するスピンの流れ“スピン流”に関連する物理現象を実験的に研究しています。 量子力学的な自由度である電子スピンの影響が電気伝導に現れるスピン依存伝導現象を 対象とする研究分野は、スピントロニクスと呼ばれ、近年のナノテクロジーの進歩により、 急速に進展してきています。スピン流が関連する物理現象に関する研究は、 比較的新しい分野であり、未解明な現象や未開拓な研究領域などが数多く残されており、 基礎物理学的に大変興味深い研究分野です。 更に、スピントロニクスは、近年のエネルギー・環境政策に則った 省エネルギー・エレクトロニクスとしても大きな応用の可能性を備えているため、 産業界からも大いに注目されています。
  本研究室では、このスピントロニクス分野の物理学的な側面であるナノ構造磁性体、 スピン依存量子伝導、スピンダイナミクス、スピンイメージング、メゾスコピック系物理、 低温などをキーワードとするナノスピンサイエンスの実験的研究を行います。 とりわけ、研究室主催者の最大のシーズである強磁性体-非磁性複合ナノ構造におけるスピン流の制御技術を基軸とした、 新奇量子物理現象の探究に主眼をおいた研究を展開していきます。

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参考文献 (別刷り・関連資料等を、ご希望の方は、お気軽にご連絡ください)

1. 高性能スピンデバイスの開発を目指して:九州大学・木村研究室
稲盛センターの研究室発足当時に撮影して頂いたので、設備が少ないですが、現在は充実してきています。
2. スピン流のナノエレクトロニクスへの展開, 応用物理, 第81巻, 第1号, p.0026-0032 (2012)
3. 金属ナノ構造における純スピン流とその応用, 九州大学低温センターだより, 4, 2-7. (2010)
4. 金属ナノ構造における純スピン流の高効率制御技術と高機能スピンデバイスの開発, 丸文財団 研究奨励賞 研究内容紹介
5. Pt ナノ細線におけるスピンホール効果の電気的検出, 日本物理学会誌 巻:63 号, 862-866 (2008)
6. 純スピン流制御技術とそのデバイス応用, 九州大学新技術説明会
7. Large pure spin current generation in metallic nanostructures (Invited Review Paper) Applied Physics A, December 2012
8. Spin Current, Oxford University Press, 2012